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口頭

焼岳中尾テフラ; 北アルプス南部における完新世後期の年代指標としての有用性の検討

西尾 学*; 鏡味 沙耶; 横山 立憲; 苅谷 愛彦*; 小嶋 智*

no journal, , 

東アジアにおける第四紀の広域火山灰を用いた年代測定法はほぼ確立しているが、日本のように火山の多い地域では、近傍の火山の噴出物の影響が強く、広域火山灰の産出ピークを検出できない場合が多い。そこで、近傍の火山による特徴的な地域性火山灰を年代指標とする方法を開発することを本研究の目的とした。研究対象地域は、焼岳火山の影響を強く受ける北アルプス南部の上高地周辺地域である。(1)焼岳の北東約4.7kmに位置する「きぬがさの池」湖畔で掘削されたハンドオーガーボーリングコアに含まれるガラス質火山灰(苅谷・高岡, 2019)1試料と、(2)焼岳の北北西約1.5kmの地点に分布する約2,300年前の中尾火砕流堆積物に挟まれるガラス質火山灰2試料である。これらの火山灰の粒子組成、火山ガラスの化学組成・屈折率を測定し、その特徴を明らかにした。各試料につき200個以上の粒子を偏光顕微鏡を用いて同定した結果、これらの火山灰の構成粒子の約70%は火山ガラスから成り、その大半がvesicularとblockyであることが明らかとなった。火山ガラスの化学組成は、日本原子力研究開発機構東濃地科学センターの電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いて測定した。その結果、3試料中の火山ガラスの化学組成は、SiO$$_{2}$$, K$$_{2}$$O, Na$$_{2}$$Oが多く、Al$$_{2}$$O$$_{3}$$, FeOが少ないという特徴を持ち、東アジアにおける第四紀広域火山灰中の火山ガラスの化学組成とは明瞭に区別できる。3試料それぞれ30個の火山ガラスを対象に、中央大学の温度変化型屈折率測定器(RIMS)を用いて屈折率を測定した。その結果、火山ガラスの屈折率は1.4958-1.5011の範囲の値を示し、1.497-1.499の範囲にピークを持つことが明らかとなった。以上のように、「きぬがさの池」で見出された火山灰は、中尾火砕流堆積物に挟まれる火山灰と、粒子組成,火山ガラスの屈折率・化学組成の点で一致し、約2,300年前の焼岳の噴火活動による火山灰であることがわかった。したがって、上記の特徴を持った火山灰は、北アルプス南部における約2,300年前の有用な年代指標とすることができると考えられる。

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